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このパニックに対策はあるのか、ないのか

●「5つのD」が原因だからヤッカイだ

 急激過ぎる円高に、日本中がパニックになっている。27日は一時、約14年ぶりの1ドル=84円82銭まで急騰。株式市場も大荒れで、平均株価は301円安の9081円(終値)に暴落した。「2番底が現実に……」と青ざめる市場関係者が続出だ。

 鳩山政権発足から2カ月あまり。この間、大規模な経済政策を打ち出したワケでもないのに経済指標は持ち直していた。GDPが2期連続で前期を上回り、失業率は10月まで3カ月連続で改善……。だが、そのツキも逃げ始めている。

 今回の「超円高・株安」局面が深刻なのは、原因が5つもあることだ。デフレは止まらず、企業の大型増資ラッシュで株価は下降線。デフレと株式の希薄化(ダイリューション)、そして民主党(デモクラティック・パーティー・オブ・ジャパン=DPJ)の頭文字をとって「3D不況」と書いた新聞もあったが、現在はもっと増えて「5D」だという。

「ドバイ政府系企業が債務の返済猶予を申し出たことで、世界中の株式市場にドバイ・ショックが走りました。そこにドル安(円高)が重なった。ドバイとドル、2つのDが加わって『5D不況』です」(株式評論家の桜井英明氏)

 この先、円高がどこまで進むかも心配だ。なにしろ1円の円高でトヨタは250億円、日立は29億円の為替差損(営業損失)である。

「藤井財務相が為替相場への介入をにおわせる発言をしていますが、日本はG20で内需拡大を公約していますから、本格介入はできないでしょう。ドル安・円高の流れは止まりません。むしろ加速するとみるべきです。年末までに1ドル=80円、年度末(10年3月)に75円を覚悟したほうがいい」(三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏)

 パニックというより、いよいよ輸出企業は地獄だ。下請け工場はバタバタ倒産。失職者激増が迫っている。鳩山政権に打つ手はあるのか。原因が5つもあっては対策は不可能だろうが、かといって手をこまねいていては終わりだ。

「円高ということは、円が買われている状態ですから、その円を日本の株式市場に向かわせればいいのです。諸外国に向け、米国債から日本国債に乗り換えた方が得ですよ、安全ですよと訴える手もありでしょう。IMF(国際通貨基金)に面白い調査があります。年間の財政赤字がGDPに対してどれぐらいかを調べたもので、日本は10.5%。米国は12.5%で、イギリスが11.6%です。この数値を見る限り日本のほうがマシだと分かります」(前出の宇野氏)

 日本経済が「最後のD」(デス=死)を迎える前に、鳩山政権は何でもいいから、やれる対策を打ち出すべきだ。迷っている時間はない。

(日刊ゲンダイ2009年11月28日掲載)

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